自由気ままな性格と、愛くるしいしぐさが魅力的な猫は、常に私たちを魅了してやみません。その愛らしさから一目ぼれして、「この子を家族に迎えたい!」と思ってしまうことも少なくないでしょう。
ですが、猫はぬいぐるみではなく、一つの命であることを忘れてはいけません。猫がつつがなく、健康的に生活するために必要な準備は数多くあります。
そこで今回は、猫を家族に迎えるために必要な初期費用がどのくらいかかるか、ご紹介していきます。特に、初めて猫を飼う人はぜひ参考にしてください。
猫を飼う時にかかる初期費用
猫を実際に飼う際には、健康診断を始め、混合ワクチンの接種、そして実際に生活するためのケージや食器などの猫の生活用品の準備が必要となります。
心配なのが、こうした準備に備えるための初期費用です。特に初めて猫を家族として迎える人は、いったいどのくらいかかるか不安な人も少なくないと思います。
そこで、実際にどのくらいかかるのか、実例を紹介しつつご紹介していきます。
最低でも4万円は必要
ペットショップや里親を募集している団体などから猫を引き取り、育てる場合は、地域や生活用品の質によって変動しますが、最低でも4万円は必要になってきます。
また、健康診断の内容によっては数万円かかることもあり、最終的には10万円以上かかることもあります。そのため、子猫をお迎えする場合は、余裕を持ってあらかじめ積み立て預金をしておくと良いでしょう。
健康診断にかかる費用
私たち人間と同じように、猫もまた病気やけがによる体調不良を見逃さないために健康診断を行う必要があります。基本的に、満5歳未満の場合は年に1回、5歳以上は半年に1回健康診断を行うのがベストとされています。
健康診断をするための費用は、検査する内容や住んでいる地域によって異なりますが、1回の検診につき平均15.304円ほどかかります。
猫の主な健康診断の内容は、
- 身体測定
- 便の検査
- 血液検査
- 尿検査
などがあり、結果によってはさらに詳しく検査する場合もあります。そのため、余裕を持って検査費用を準備しておくと良いでしょう。
身体測定 | 問診を行い、体重や体温、触診、聴診、目や口腔内、耳のチェックを行い、十分な食事量や発育、体の異常がないかどうかを調べる | 1,000~3,000円 |
便の検査 | 消化器疾患や寄生虫・原虫の有無などを調べる | 737~897円 |
血液検査 | 寄生虫やウィルス感染、血液系疾患に罹っていないか調べる | 採血料金:727円ほど ※生化学検査:4,625円ほど |
尿検査 | 膀胱炎や尿結石、腎臓の病気といった泌尿器系疾患があるかどうか調べる | 採取料金:1,127~1,549円 検査料金:1,432円ほど |
また、猫の状態によっては一般的な健康診断以外にも、エックス線検査や心電図検査などのオプションもつけることが可能です。場合によっては必要になる可能性もあるため、オプションを受けられる分の予算も用意しておきましょう。
エックス線検査 | 骨折などのほか、臓器の大きさや形が正常であるかどうか調べる 単純撮影:3,931円ほど | 尿路造影:7,107円ほど 消化器造影:7,911円ほど |
心電図検査 | 不整脈や心室肥大、冠状動脈疾患などの病気の有無を調べる | 2,521円ほど |
超音波エコー検査 | レントゲン撮影では判断できない微細な異常や、腫瘍、妊娠している猫の胎内の状態を調べる | 1,500円~ |
眼科検査 | 涙の量の検査のほか、白内障や緑内障といった目の病気の有無を調べる | 5,000円~ |
歯科検診 | 歯石のチェックや歯肉炎、歯周病などの口腔内疾患の有無を調べる | ~15,000円 |
混合ワクチンにかかる費用
一般的に、猫は離乳時期になると、母猫から受け継いだ受動免疫がなくなり、免疫力が低下してしまいます。
免疫力が低下することで、猫汎白血球減少症や猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルスといった伝染病にかかりやすくなってしまいます。これらは空気感染によって伝染する強い感染症ですが、ワクチン接種することで、予防することができます。
猫の混合ワクチンを接種する回数ですが、基本的に生後50日頃に1回、生後80~90日頃に1回と計2回行う必要があります。その後は、年に1回ワクチンを接種するようにしましょう。
気になる混合ワクチンの金額ですが、こちらは動物病院がある地域によって変動します。また、猫白血病ウィルス感染症(FeLV)が含まれるかそうでないかで、金額も変化します。
混合ワクチン料金 | |
FeLVを含む | FeLVを含まない |
6,514円ほど | 4,4714円ほど |
猫の生活用品にかかる費用
猫を飼う上で必要となるケージや食器、トイレや猫砂、餌などの生活用品は、メーカーなどによって大きく異なります。
食器やケージなどはハンドメイドなどで節約することもできなくはないですが、長く一緒に生活することを考えると、やはりしっかりとしたメーカーのものを購入するべきでしょう。
特に、猫を飼う上で必要なケージ、トイレ、食器、キャリーバッグを新しくそろえる場合は、13,000~43,000円ほどかかるため、余裕を持って予算を立てておきましょう。
また、餌やおやつといった食費は、1回の購入で考えるよりも、年間どのくらいかかるか計算した方がベストです。
猫のキャットフード・おやつ代(年間) | ||
ドライフード | ウェットフード | おやつ |
12,000円~ | 72,000円~ | 12,000円~ |
さらに、首輪やベッド、おもちゃ、ペットフィーダー、猫草なども購入する場合は、3万~8万ほど予算を見積もっておく必要があります。
猫の生活用品にかかる費用(一例) | |
キャットフード(ドライフード) | 年間12,000円 |
おやつ | 年間12,000円 |
ケージ・ハウス | 8,000円 |
トイレ | 4,000円 |
猫砂 | 年間15,000円 |
食器 | 1,000円 |
キャリーケース | 5,000円 |
爪切り | 500円 |
ブラシ | 1,000円 |
そのほか消耗品 | 年間7,000円 |
合計 | 65,500円 |
子猫の正しい育て方については『子猫の育て方!生まれたてや1ヶ月~3ヶ月までの流れ』の記事がとても参考になりそうです。
猫を飼う時に絶対に必要な物・グッズ
猫を飼う上で、特に気を使わなければならないのが、餌やハウス、トイレといった生活必需品の準備です。
中でも、必要最小限として最初に購入するべきグッズは、
- キャットフード・おやつ
- ケージ・ハウス
- トイレ
- トイレ用シーツ・猫砂
- キャリーケース
- 食器
などです。メーカーなどによって質が大きく異なるので、価格も変動しやすいのですが、これらを準備する初期費用はおよそ3万~8万ほどかかるので、余裕を持って予算を準備しておく必要があります。
キャットフード・おやつにかかる費用
私たちにとって生きるために食事が必要なように、猫もまた、毎日おいしく、栄養のある食事をとらなければなりません。
キャットフードは、ドライ・ウェットの両方あり、それぞれ値段が大きく異なります。ドライフードの場合、最低でも年間でおよそ12,000円かかり、ウェットフードだと年間およそ72,000円かかります。
猫の好みによって与える餌の種類も大きく異なると思いますが、ドライフードの方がウェットフードよりも価格が安く、しかも保存が利きやすいことを考えると、コストパフォーマンスを重視するのであれば、ドライフードを選ぶのがオススメです。
猫用のおやつについては、毎日適度な量を与える計算で費用を計算すると、年間12,000円ほどかかります。おやつは毎日、いつでも与える必要はないので、これよりも少ない金額に抑えることも可能です。
ケージ・ハウスにかかる費用
仕事などで日中外出することが多いなど、猫をリビングなどに放したままにしておけないご家庭の場合は、ケージやハウスは必要不可欠です。
また、猫は警戒心が強い個体が多く、身を隠したり、自分だけのスペースがあると安心しやすいため、ケージやハウスなどがあると猫も安心してくつろぐことができます。
猫用のケージやハウスは、素材やメーカーによって価格が変動します。安くてもおよそ8,000円ほどかかり、キャットタワーなどが付属してあるケージだと、3万円程度予算が必要になります。
猫用トイレとトイレ用シーツ・猫砂にかかる費用
猫用トイレは、段ボールなどで済ませることも可能ですが、やはり手入れのしやすさや衛生面を考えると、市販のものを用意するのがオススメです。
価格はメーカーや素材、付属している機能によって大きく異なりますが、安いものでは1,000円程度で購入可能です。また、デオドラント効果や、猫砂がお尻に付きにくいといった機能があるものだと、2,000~4,000円くらいで用意できます。
猫のトイレに必要なのが、デオドラント効果のあるトイレ用シートや猫砂です。例えば、シートと猫砂両方を使う猫用システムトイレを使う場合、年間消費金額はおよそ15,000円ほどかかります。
猫用キャリーケースにかかる費用
動物病院への通院や、旅行、急な用事などで電車などの公共交通機関を使わなければならない状況を考えて、猫用のキャリーケースなども用意しておくのが便利です。
キャリーケースは、布製やプラスチック製のものが多く、バックバック型やトートバック型、キャリーバッグや折りたたみ式など様々なので、猫の好みや使いやすさで選ぶと良いでしょう。
気になる価格ですが、メーカーやケースに使われている素材などで変動しますが、およそ2,000~1万円が相場とされています。
食器にかかる費用
キャットフードや飲み水用の食器も、猫を飼う前にあらかじめ用意しておく必要があります。こちらも、陶器やプラスチック、金属と素材が様々で、価格も1,000~3,000円ほどと比較的入手しやすい金額です。
「節約のために、人間用の食器を使えばよいのではないか」と考える人もいると思いますが、実は、猫が食事をするのに食器の高さや深さなどが適さないので、あまりお勧めできません。猫が食事しやすいよう、必ず猫用の食器を選びましょう。
猫を飼う時にあったら便利なグッズ
猫を飼う上で、健康診断やワクチン接種、そして生活必需品といったものを準備するための初期費用を、これまでご説明していきましたが、ほかにも、首輪やブラシ、おもちゃなど、『あると便利なグッズ』が数多くあります。
その中でも、特にオススメしたいのが、
- 首輪
- 爪とぎ・爪切り
- ブラシ・シャンプー
- 自動給餌器(ペットフィーダー)
- フードストッカー
- おもちゃ
などです。
これらのグッズは、猫と暮らすうえで必ずしも揃えておかなければならないということはないのですが、飼い主の生活スタイルによっては役立つものばかりです。
首輪にかかる費用
猫は犬とは異なり、リードでつないで管理する必要がないので、必ずしも首輪が必要というわけではないのですが、もしも飼い主の元から猫がいなくなった時の身元証明として、非常に役立ちます。
安いものなら500円未満で購入可能ですが、GPS搭載の首輪を用意する場合は、5,000~1万円程度の予算が必要になります。完全室内飼いであっても、万が一のことを考えるのであれば、GPS搭載のものも考慮に入れておきましょう。
爪とぎ・爪切りにかかる費用
猫は元来狩猟動物ですので、獲物を狩るための武器である爪のお手入れは欠かせません。そうと分かっていても、家具に爪とぎするのは飼い主にとって悩みの種でもあります。
そこでオススメなのが、麻や段ボールで作られた、猫用爪とぎグッズです。価格も500~3,000円程度と気軽に入手しやすく、コンパクトで設置しやすいものが多いので、家じゅうのどこでも置きやすいのが魅力です。
また、猫の爪を切っておくことで、巻き爪によるケガを防止することができます。さらに、カーテンに爪をひっかけたり、家具などへの爪とぎによるダメージも軽減されるので、できれば定期的に爪切りを行いましょう。
猫用の爪切りはハサミとギロチンの2種類があり、ハサミのほうが比較的初心者でも扱いやすくなっています。500円から購入可能なので、まだ爪切りになれていないうちはハサミタイプを選ぶのがオススメです。
爪切りは人間用のものでも代用可能ですが、衛生面を考えると、家族との併用は避けるべきです。もし人間用のものを使うのであれば、別途猫専用と家族専用に分けておきましょう。
猫用ブラシにかかる費用
猫はグルーミングなどで毛並みを自分で整えることができますが、大量の抜け毛が胃の中で固まって、毛玉になってしまうことも少なくありません。特に、毛の長い猫や換毛期などは、こまめにブラッシングをしてあげると良いでしょう。
ブラシは獣毛を使ったものやコームタイプ、ピンなど多種多様ですが、安いものなら100円ショップでも購入可能です。また、ラバータイプは猫のお肌に刺激を与えすぎずにブラッシングでき、こちらは700円ほどで購入できるものもあります。
猫用シャンプーにかかる費用
猫は毎日自分で毛並みを整えることができるのでシャンプーを頻繁に行う必要はありません。ですが、ノミやダニ予防や抜け毛、臭いや汚れなどをどうしても落としたい場合は必要になります。
シャンプーの頻度は、猫の毛の長さによって変わりますが、平均で年に1~2回が目安とされています。また、自宅で猫をお風呂に入れる場合は、人間用だと刺激が強すぎるので、必ず猫用のものを使いましょう。
自宅で猫にシャンプーを行う場合は500~2,000円ほどで済みます。もし、自分だけで猫にシャンプーをするのが不安な場合は、プロのトリマーに頼むのもオススメです。相場は1回で5,000~7,000円ほどで、お店によって大きく変わります。
自動給餌器(ペットフィーダー)にかかる費用
仕事や旅行などで家を留守にしたり、飼い主の生活スタイルが不規則な場合、どうしても猫に決まった時間にキャットフードを与えにくい状況になりやすいです。そんなときに便利なのが、タイマーの付いた自動給餌器(ペットフィーダー)です。
自動給餌器にかかる費用は2,000~2万円ほどで、タイマー付きだけでなく、飼い主の声を録音できるものや、餌を一度に大量に収容できる大容量など様々で、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
フードストッカーにかかる費用
ドライフードなどを長期保管するときに必要なのが、フードストッカーです。フードストッカーに入れてストックしておくことで、フードが空気に触れて酸化することで、風味や栄養が落ちるのを防げます。
種類としては、袋ごと入れて密封できるタイプや真空タイプなど様々で、価格も800~2万円と幅広いです。真空タイプよりも密封タイプの方が比較的安く手に入るので、初めて使う場合はこちらを選ぶと良いでしょう。
猫用のおもちゃにかかる費用
猫用のおもちゃは、羽やボール、縄などのほか、最近ではLEDポインターなどがあり、多種多様でバラエティーが豊富なので、好みに合わせて選べます。価格も500~3,000円程度とお求めやすいのも魅力です。
また、運動不足の解消などや、猫のかわいらしい様子が観察できるキャットタワーも、やすいものであれば2,000円程度で用意することができます。さらに、素材やギミックにこだわるのであれば、予算は2万~3万ほど見積もっておきましょう。
まとめ
猫を家族としてお迎えする前に、まずしておくべき健康診断やワクチン接種、生活用品の準備など、意外にも費用がかかることがお分かりいただけたでしょうか。
猫も生き物ですので、ただ可愛いから飼いたいというだけでは、猫と長く付き合うのは大変難しいです。
猫が家族の一員として末永く、何不自由なく幸せに暮らせるためにも、お迎えするための初期費用は余裕を持って準備しておきましょう。
猫や犬などのぺっとはもちろんそうですが、病院代が半端なくかかります。健康保険がないので当然です。
緊急の処置を行ってもらった場合には、想像以上の治療費がかかる場合もあり、そんな時にすぐ現金を用意できる飼い主さんは多くありません。
また病院側としても、多くの現金を飼い主様に持ってきていただくのはリスクや防犯の観点からおすすめしていません。
だからこそ、動物病院での支払いはクレジットカードに重きをおいています。
どこの動物病院でも各種クレジットカードや国際ブランドに対応しているので大丈夫だと思いますが、不安な方は以下のサイトに書かれているのを参考にしてみてください。(以下のサイトは楽天カードのサイトですが、国際ブランドの意味は伝わるかと思います)
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また人気がある、どんなクレジットカードが良いかまでは私もわかりませんので、他サイト様の参考になるものを置いておきます。
ただし、クレジットカードの契約等はご本人様の自己責任にてお願い致します。